サツマイモを切ったあと、包丁やまな板、手に白っぽいベタベタが残ることがあります。
水で流してもすっきりせず、時間がたつとさらに固まったように感じてしまいますしk、秋の調理では、意外と厄介な汚れ。
この白い液体状のものとして知られているのが、サツマイモに含まれるヤラピン。
「ヤラピンは油に溶けるから、油を塗れば落とせる」と言われるのですが、実は食品中の成分としての性質と、包丁についた汚れを家庭でどう落とすかは、同じではなかったりするんです。
サツマイモを切ると出てくる白いものは何なのか
サツマイモを切ると、切断面から白い乳液状の物質がにじみ出ることがあります。
この物質に含まれる成分として知られているのがヤラピンで、ヤラピンはサツマイモ特有の成分として研究されてきた物質で、切断面から出た乳液状の状態から、時間がたつにつれて変化していきます。
ですので、切った直後の状態と、包丁に付着して乾燥した状態を同じ「液体汚れ」として考えないこと。
切断直後なら拭き取りやすくても、空気に触れて乾燥すると、付着したものが落としにくくなることがあります。
料理中は、次の食材を切ったり、調理することに意識が向きやすいため、包丁についた白いものをそのままにしてしまいがち。
その結果、あとで洗おうとしたときに「水で流しても取れない」という状態になりやすくなります。
なぜ水で洗ってもベタベタが残るのか
ここでありがちな発想が「汚れなのだから水でしっかり洗えばいい」という考え方で、すべての汚れが水になじむわけではなく、水と油が混ざりにくいのと同じように、物質によって水とのなじみやすさには違いがあるんです。
そもそも「水で洗えばいい」と言うこと自体が、大きな間違いなんですよね。
ヤラピンについても、単純に「水に溶かして流せる汚れ」ではなく、切断面から出た直後の物質が、空気に触れたあとも同じ状態であるわけではなく、乾燥や酸化によって状態が変化すれば、洗浄のしやすさも変わってくるんです。
つまりは、
白い液体が出る → 水で洗う → きれいになる
という単純な流れにならないところが、この汚れの面倒なところ。
「油で溶かす」はどこまで正しいのか
注意したいのが、「ヤラピンは脂溶性だから油で溶かせる」ということで、ヤラピンの性質を利用し、油を使って付着物を処理するという考え方自体は、汚れの性質から考える洗浄方法として正しいんです。
ただし、「油をつければヤラピンが簡単に溶解する」わけでもなく、食品中のヤラピンの化学的性質と、包丁や手に乾燥して付着したヤラピンは別物と考えたほうがいいんです。
力任せにこする前に、まず拭き取る
包丁に白いベタベタが付いていると、スポンジで何度もこすりたくなりますが、乾燥して固着したものを力任せにこするより、まず物理的に取り除ける部分をキッチンペーパーなどで軽く拭き取るほうが包丁にやさしくて、それでも残る場合、少量の食用油を汚れた部分になじませ、しばらくしてからペーパーで拭き取るほうがいいでしょう。
そして、ポイントとなるのが油を使ったあとで終わらせないことで、油を使えば、今度は油分が包丁や手に残りますよね。
ですから、以下のような手順を踏むようにしてください。
- 目立つ汚れを拭き取る
- 必要なら少量の油をなじませる
- ペーパーなどで油分と汚れを拭き取る
- 最後に台所用洗剤で油分を洗い流す
手についた場合も考え方は同じ
手についたベタベタも、何度も水と石けんで洗えばすぐ取れるわけでもなく、汚れが乾いてしまった場合、最初から強くこするのではなく、付着したものをできるだけペーパーなどで取り除いてから洗うほうが、手肌への負担を抑えられます。。
油を使う場合もごく少量にとどめ、その後は通常の手洗いで油分を落とすようにしましょう。
「強い洗剤」より先に考えたいこと
キッチンの汚れというと、どうしても「もっと強い洗剤を使う」「もっと強くこする」という方向に考えがち。
しかし今回のような汚れでは、最初に考えるのは洗剤の強さではなく、何が付着しているのかであり、
- 水になじみやすい汚れなのか
- 油になじみやすい汚れなのか
- 乾燥して状態が変わったものなのか
- そもそも洗剤で落とす前に、拭き取ったほうがよいものなのか
この順番で考えるだけでも、必要以上にこする必要はなくなります。
包丁についた白いものを見て、いきなりゴシゴシこする前に、一度拭き取る。
落ちにくければ、少量の油を補助的に使ってみる。
最後は洗剤で油分を落とす。
サツマイモを切るたびに発生する小さな「なぜ落ちないのか」は、家庭の洗浄を考えるうえで、意外に分かりやすい教材になっています。