経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によれば、国内の葬儀会社が取り扱った葬儀1件当たりの金額は2021年で112万5000円と、前の年に比べて4%減少したのだそうです。
20年は同13%減と大きく落ち込んでおり、新型コロナウイルスの感染拡大で葬儀の小規模化や簡素化が進んだ影響がうかがえるのですが、実際はコロナ禍の前から微減傾向が続いていて、葬儀の多様化に伴って費用も少しずつ安くなっているようです。
葬儀費用の減少傾向の背景にはネットを通じて複数の葬儀会社を比較できる紹介サービスが普及し、価格の透明化が進んだこともあり、鎌倉新書が運営する葬儀相談・依頼サイト「いい葬儀」では47都道府県の葬儀会社1000社以上、葬儀場6000カ所以上の葬儀プラン例や価格の目安などを掲載しています。
葬儀の種類について厳密な定義はないが、親族や知人、職場の人など故人と縁のあった人が多数参列する「一般葬」のほか、家族やごく親しい人のみで見送る「家族葬」、通夜をせずに告別式のみの「一日葬」、火葬のみで済ませる「直葬・火葬式」などがあります。
鎌倉新書が「いい葬儀」利用者を対象にした20年の調査では、一般葬を選んだ人が48.9%で最も多く、家族葬は40.9%だった。15年には一般葬が58.9%、家族葬が31.3%だったので、家族葬の比率が高まっており、かかった費用の平均は一般葬が約240万円(飲食費と香典の返礼品代を含む)に対し、家族葬が約137万円。
直葬・火葬式なら約80万円と安く抑えられるのですが、参列者が少ないと香典の総額も少なくなり、実質的な費用負担額は、一般葬より家族葬のほうが少なくなるとは限らないようです。
また寺や教会に宗教儀式を依頼するときのお布施も別途必要になり、お布施の平均額は約24万円となっているのですが、「1万円以上10万円未満」が27.6%で最も多く、次いで「10万円以上20万円未満」が22.7%と、数万円から20万円程度までが一般的なようですね。